リフォームの引き渡し後に不具合|契約不適合責任と通知の期限
この記事の結論
- リフォームの引き渡し後に、契約で約束した品質と違う不具合が見つかったら、業者に補修(追完)、代金の減額、損害賠償、契約の解除を求められます(民法の契約不適合責任)。
- 大事なのは期限です。不具合を知った時から1年以内に業者へ通知しないと、これらを求められなくなります(民法637条)。業者が引き渡しの時に不具合を知っていた場合などは例外です。
- 新築住宅のような「引き渡しから10年」の法定保証は、リフォームにはありません。リフォーム瑕疵保険が付いていれば、構造・雨漏りは5年、その他は1年の保険期間があります。
工事が終わって代金を払った後に、雨漏りが止まっていない、床が鳴る、配管から水がにじむといった不具合が見つかることがあります。業者に何を、いつまでに求めればよいかを、民法の条文にもとづいて整理しました。
最終更新日: 2026-10-24
求められる4つのこと
| 求めること | 内容 | 条文 |
|---|---|---|
| 補修(履行の追完) | 不具合を直してもらう | 民法562条 |
| 代金の減額 | 期間を決めて補修を求めても直さないときなどに、不具合の程度に応じて減額を求める | 民法563条 |
| 損害賠償 | 不具合で生じた損害(家財の被害、仮住まいの費用など)の賠償を求める | 民法564条・415条 |
| 契約の解除 | 不具合が重大で契約の目的を達せないときなど | 民法564条・541条・542条 |
これらは売買の規定ですが、請負契約(リフォーム工事)など有償の契約にも準用されます(民法559条)。条文はe-Gov法令検索「民法」で確認できます(2026年10月24日確認)。
不具合を知ってから1年以内に通知する
請負の目的物が種類や品質の点で契約の内容に合わない場合、注文者がその不適合を知った時から1年以内に請負人に通知しないと、補修・減額・損害賠償・解除を求められなくなります(民法637条1項)。ただし、引き渡しの時に請負人が不適合を知っていたか、重大な過失で知らなかったときは、この制限はかかりません(同条2項)。
通知は、いつ・何を伝えたかが後で分かる形にします。不具合の場所と状態、写真、補修を求めることを書いて、メールや内容証明郵便で送るのが確実です。通知した後の請求権は、知った時から5年などの消滅時効にかかります(民法166条)。
新築の10年保証との違い
新築住宅の請負契約では、構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分の瑕疵について、引き渡しから10年間の担保責任が法律で決められています(住宅品質確保法94条、e-Gov法令検索)。リフォームにはこの規定がないため、業者の保証書の内容と、リフォーム瑕疵保険が付いているかが重要になります。保険の仕組みはリフォーム瑕疵保険とはにまとめています。
最初にやること
- 不具合の写真・動画を、日付が分かる形で撮る。雨漏りなら雨の日の状態も残す。
- 契約書・図面・見積書・仕様書・打合せのメモを集め、何を約束していたかを確かめる。
- 業者に、不具合の内容と補修を求めることを書面やメールで通知する(送った日と内容を保存)。
- 業者の保証書と、リフォーム瑕疵保険が付いていることを示す書類があるかを確かめる。
工事中や完成直後に手抜きが疑われるときのサインと対処は手抜き工事が疑われたときの対処法に、施工不良かどうかの見方はリフォーム施工不良が疑われる時の相談前チェックに、話し合いがまとまらないときの手続きはリフォームトラブルの調停・ADR・裁判にあります。
よくある質問
引き渡しから1年を過ぎたら、もう請求できませんか?
民法の期限は「引き渡しから1年」ではなく、不具合を知った時から1年以内に業者へ通知することです。通知した後の請求は、債権の消滅時効(知った時から5年など)の範囲で行えます。契約書に別の定めがあることもあるので確かめてください。
業者が「仕様どおりだ」と言って直してくれません。
契約の内容に合っているかどうかが争いになります。契約書・図面・見積書・打合せの記録で約束の内容を示し、写真で今の状態を残してください。住まいるダイヤルで建築士に相談すると、争点を整理しやすくなります。
工事代金の残りを払わずにいてもいいですか?
不具合があるからといって、一方的に支払いを止めると、逆に代金の支払いを求められることがあります。補修を求める通知を出したうえで、支払いの扱いを相談してください。
本記事は一般的な情報提供で、個別の工事で保険や請求が認められるかを判断するものではありません。