住宅リフォームや訪問販売をめぐる消費生活相談は、高齢者を中心に高い水準で寄せられ続けています。このページは、「リフォーム トラブル 相談件数」「訪問販売 リフォーム 統計」を調べる方に向けて、国民生活センター・消費者庁・住宅リフォーム紛争処理支援センターなどの一次資料に基づく統計を、出典リンク付きで整理したデータリファレンスです。各数値は原資料で確認できる範囲を記載し、集計時点や定義は出典元に従います。引用の際は、あわせて出典元の最新版もご確認ください。

総括:相談件数の全体像

国民生活センターのPIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)によると、訪問販売によるリフォーム工事や「点検商法」に関する相談は、近年も多数寄せられています。とくに屋根・外壁・分電盤・太陽光発電などを対象に、「点検」を口実に訪問し不安をあおって契約させる手口の相談が増加傾向にあります。契約当事者は高齢者に強く偏っているのが特徴です。

年度別の相談件数の推移

訪問販売によるリフォーム工事、および点検商法に関する相談件数の推移は次のとおりです。数値はPIO-NETに登録された相談件数で、国民生活センターの「訪問販売によるリフォーム工事・点検商法」の集計ページに基づきます(2025年5月31日までの登録分)。

年度訪問販売によるリフォーム工事点検商法
2022年度10,099件8,166件
2023年度11,878件12,550件
2024年度9,820件19,215件

出典:国民生活センター「訪問販売によるリフォーム工事・点検商法(各種相談の件数や傾向)」。点検商法の相談は「訪問販売によるリフォーム工事」より件数の伸びが大きく、点検を入口とする勧誘の相談が近年目立っています。なお2025年度分は集計途中のため、最新値は出典元をご確認ください。

年代別の傾向:高齢者に集中

リフォーム・訪問販売の相談は、契約当事者の年代が高齢層に強く偏っています。国民生活センターの2024年度集計では、全体の相談でも70歳以上の割合が26.2%と過去最高水準に達しました。訪問販売や点検商法に限ると、この偏りはさらに顕著です。

指標数値・傾向出典
全相談の契約当事者に占める70歳以上の割合(2024年度)26.2%(2015年度以降で最高)2024年度 全国の消費生活相談の状況
屋根工事の点検商法の契約当事者8割超が60歳以上報道発表(令和5年10月11日)
分電盤の点検商法の契約当事者約8割が70歳以上報道発表(分電盤の点検勧誘)

年齢が上がるほど、販売方法・手口の中で「訪問販売」や「点検商法」の占める割合が高くなる傾向が国民生活センターの資料で示されています。自宅を大切に思う気持ちや、判断を急かされやすい状況につけ込まれやすい点が背景にあると説明されています。

手口別の動向

「点検」を入口とする勧誘は、対象となる設備ごとに件数が動いています。主な手口別の動向は次のとおりです。

手口・対象動向出典
屋根工事の点検商法2022年度は過去5年で最多となり、2018年度の約3倍に増加令和5年10月11日 報道発表
分電盤の点検商法2024年度に急増。2024年11月末時点で前年度同期比 約25倍分電盤の点検勧誘に関する報道発表
太陽光発電システムの点検商法2024年度は613件で、前年度(304件)から倍増太陽光発電の点検商法に関する報道発表

いずれも「近所で工事をしている」「点検が義務化された」「このままだと危険」といった説明で不安をあおり、その場で契約を迫るのが共通した特徴とされています。屋根や火災保険を口実にした勧誘の見分け方は、火災保険を使った屋根修理勧誘の見分け方もあわせて確認してください。表のとおり分電盤・太陽光発電システムの点検商法は特に急成長している類型で、勧誘の手口と対処法はそれぞれ分電盤の点検商法に注意太陽光パネルの点検商法に注意で詳しく解説しています。

訪問販売に対する特定商取引法の規制

突然の訪問による勧誘は、特定商取引法(特商法)で規制されています。以下は消費者庁の一次資料に基づく原則的な内容です。個別の適用可否は事案により異なるため、最終的な判断は相談窓口や専門家にご確認ください。

  • クーリング・オフ(法第9条):法律で定められた書面(またはその電磁的記録)を受け取った日から数えて8日以内であれば、書面または電磁的記録により申込みの撤回・契約の解除ができるのが原則です。
  • 書面交付義務(法第4条・第5条):商品の種類、販売価格、支払時期・方法、引渡時期、クーリング・オフに関する事項などを記載した書面を交付する義務があります。
  • 不実告知・故意の事実不告知の禁止(法第6条):勧誘や解除の妨害にあたり、事実と異なることを告げたり、故意に不利な事実を告げなかったりすることは禁止されています。
  • 威迫・困惑させる勧誘の禁止(法第6条):相手を威迫して困惑させる勧誘や解除の妨害は禁止されています。
  • 過量販売の解除(法第9条の2):日常生活で通常必要とされる分量を著しく超える契約は、原則として契約後1年間、解除できるとされています。
  • 再勧誘の禁止(法第3条の2):消費者が契約しない意思を示した場合、その場での勧誘の継続や、改めての勧誘は禁止されています。

出典:消費者庁 特定商取引法ガイド「訪問販売」。外壁塗装など具体的な事例でのクーリング・オフの進め方は、外壁塗装の訪問販売とクーリング・オフの解説で扱っています。

困ったときの相談手順

1. 契約書面・勧誘のやり取りを保存する

契約書、見積書、パンフレット、受け取った書面、勧誘時のメモや録音、写真などを保存します。クーリング・オフの起算日となる書面の受領日がわかる資料は特に重要です。

2. 消費者ホットライン「188」に相談する

局番なしの「188(いやや)」に電話すると、最寄りの消費生活センター等の相談窓口を案内してもらえます。契約や解約、返金の可否について具体的な助言を受けられます。

3. 住宅の技術的・専門的な相談は住まいるダイヤルへ

工事の技術的な妥当性や住宅紛争の手続きについては、国土交通大臣指定の相談窓口である住まいるダイヤル(住宅リフォーム・紛争処理支援センター)に相談できます。同センターは年間3万件以上の電話相談を受け付けているとされています。

契約前に業者の適格性を確認しておくこともトラブル予防に有効です。建設業許可などの確認方法はリフォーム業者の建設業許可の確認方法、見積書の内訳を確認する手順はリフォーム見積もりのトラブル事例と契約前チェックポイント、工事後の欠陥に備える制度はリフォーム瑕疵保険の仕組みと加入確認の方法を参考にしてください。マンションでは管理規約に関わる別のトラブルも起きやすく、マンションリフォームの管理規約・近隣トラブルの防ぎ方もあわせてご確認ください。

よくある質問(FAQ)

Q1. 訪問販売でリフォーム契約をしてしまいました。クーリング・オフはできますか。

A. 訪問販売は、法律で定められた書面を受け取った日から8日以内であれば、書面または電磁的記録によりクーリング・オフができるのが原則です(特商法第9条)。書面に不備がある場合など、起算日の考え方が変わることもあります。まずは消費者ホットライン188に相談してください。

Q2. 「点検」と言われて家に入られ、不安をあおられて契約しました。取り消せますか。

A. 事実と異なる説明(不実告知)や、故意に不利な事実を告げないこと、威迫して困惑させる勧誘は特商法で禁止されています(第6条)。該当が疑われる場合は取消しや解除の余地があるため、やり取りの記録を整理して相談窓口に相談してください。

Q3. 高齢の家族が必要のない大規模リフォームを次々契約していました。まとめて解約できますか。

A. 通常必要とされる分量を著しく超える契約(過量販売)は、原則として契約後1年間、解除できるとされています(特商法第9条の2)。個別の判断は事情によるため、消費生活センターや住まいるダイヤルに相談してください。

Q4. 相談件数の最新の数値はどこで確認できますか。

A. 国民生活センターの「訪問販売によるリフォーム工事・点検商法」の集計ページや、毎年公表される「全国の消費生活相談の状況(PIO-NETより)」で確認できます。本ページ下部の「出典一覧」からご確認ください。

出典一覧(一次情報)

  • 国民生活センター「訪問販売によるリフォーム工事・点検商法(各種相談の件数や傾向)」 https://www.kokusen.go.jp/soudan_topics/data/reformtenken.html
  • 国民生活センター「2024年度 全国の消費生活相談の状況−PIO-NETより−」 https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20250806_3.html
  • 国民生活センター「屋根工事の点検商法のトラブルが増えています」(令和5年10月11日 報道発表) https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20231011_1.html
  • 国民生活センター「『分電盤の点検に行きます』の電話から始まる勧誘に注意」 https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20250115_1.html
  • 国民生活センター「太陽光発電システムの点検商法が急増!」 https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20250604_1.html
  • 消費者庁 特定商取引法ガイド「訪問販売」 https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/doortodoorsales/
  • 公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター(住まいるダイヤル) https://www.chord.or.jp/

免責事項

本ページは、公表されている統計・制度情報を一般的な参考として整理したものであり、個別の契約解除・返金・問題解決を保証するものではありません。相談件数などの数値は各出典の集計時点・定義に基づき、更新により変わる場合があります。制度の適用可否や具体的な対応は、国民生活センター消費者庁住宅リフォーム・紛争処理支援センター、弁護士等の専門家にご確認ください。